Shopify、WooCommerce、BigCommerceは、いずれもECサイトの構築と運用に使えます。ただし、選ぶときに大切なのは機能数の多さではありません。サーバー管理をサービス側に任せたいのか、自分で構成を組みたいのか、複数の販売先やストアをどこまでまとめたいのか。ここで向く候補が変わります。
運用をまとめやすいクラウド型を求めるならShopify、WordPressを基盤に構成を選びたいならWooCommerceが候補です。複数チャネルや複数ストアを一つの管理環境で扱うことを重視するなら、BigCommerceも比較対象になります。
Shopify
こんな人に
ストア作成から日常運用までをクラウド上でまとめたい
WooCommerce
こんな人に
WordPressを使い、ホスティングや追加機能を自分で選びたい
BigCommerce
こんな人に
複数の販売チャネルやストアフロントをまとめて管理したい
3製品の大きな違いは、ストアを動かす土台の持ち方です。ShopifyとBigCommerceは、ホスティング(サイトを動かすサーバー環境)を含むクラウド型のEC基盤です。一方WooCommerceは、WordPressに追加して使うオープンソースの仕組みで、ホスティング、更新、保守をストア運営側で管理します。
| 比較点 | Shopify | WooCommerce | BigCommerce |
|---|---|---|---|
| 基盤 | クラウド型 | WordPressに追加して使う方式 | クラウド型 |
| 運用の組み立て方 | ストア作成、決済、商品、在庫、注文、配送をまとめて扱う | WordPress、ホスティング、テーマ、追加機能を組み合わせる | オンラインストアに加え、POSやマーケットプレイスを含む販売チャネルを扱う |
| 拡張方法 | アプリやカスタムアプリ | 追加機能やテーマ | アプリ、API、独自実装 |
| 規模を考える際の注目点 | 販売先の国・地域や販売チャネル | 必要機能と保守範囲 | 売上規模によるプラン条件や複数ストア運用 |
サーバーの管理を自分たちで持たず、EC運用に必要な範囲を一つのサービス内で扱いたいなら、ShopifyかBigCommerceから検討しやすいでしょう。すでにWordPressを使っている、あるいはホスティングや追加機能を自分で選ぶことに意味があるなら、WooCommerceの方式が合います。
Shopifyでは、ストアの外観をテーマで整え、商品、在庫、注文、配送までを管理できます。アプリやカスタムアプリによる拡張も可能です。基盤を自分で用意する方式ではないため、サーバー保守より商品登録や注文対応といった日常業務に意識を向けたい場合に検討しやすい構成です。
販売先が複数の国や地域に広がるなら、Shopify Marketsで通貨、言語、商品提供、価格を市場単位で設定するという考え方があります。さらに、販売先の市場と配送ゾーンを設定し、在庫、出荷拠点、配送レートを結び付けて運用します。海外販売を考えるなら、多言語表示ができるかどうかではなく、販売条件と配送条件をどう分けるかまで確認したいところです。
オンラインストア以外に実店舗やソーシャルチャネルも扱う場合も、Shopifyは比較対象になります。ただし、必要な販売チャネルを実際に一つの運用へまとめられるかは、自社の販売方法に沿って確認する必要があります。
Shopifyをもう少し詳しく確認したい場合は、単体記事も読んでみてください。
WooCommerceは、WordPressへ追加してEC機能を持たせる方式です。本体は無料ですが、実際のストア運用ではホスティングを選び、必要に応じてテーマや追加機能を組み合わせます。「月額プランを契約すれば基盤が一式そろう」というクラウド型とは、導入と保守の考え方が異なります。
商品、税、配送、決済、注文、データやレポートなどを扱えますが、必要な構成は店舗ごとに変わります。たとえば複数通貨が必要なら、その要件に合う追加機能を選ぶことになります。自由に組み合わせられるという点だけを見るのではなく、更新や保守を誰が担当するか、必要な追加機能を継続して管理できるかまで含めて判断してください。
すでにWordPressでサイトを運用していて、その環境と管理体制を生かしたいならWooCommerceを検討できます。反対に、ホスティングや更新を自分たちで管理したくないなら、ShopifyやBigCommerceとの運用差をよく比べる必要があります。
Shopifyとの違いに絞りたい場合は、2製品の比較記事も確認できます。
BigCommerceも、ホスティングを含むクラウド型のEC基盤です。オンラインストアだけでなく、POSやマーケットプレイスを含む販売チャネルを比較軸にできます。アプリやAPIを使った拡張に加え、テーマ型のストアフロントと、表示部分を別に構築するヘッドレス型の両方が選択肢です。
特徴的なのは、Multi-Storefrontによって、複数ブランド、地域、顧客層向けのストアフロントを一つの管理環境で運用できることです。ブランドごとに見せ方を分けたい場合や、地域ごとにストアを分けながら管理はまとめたい場合には、BigCommerceを比較に残す理由になります。
一方で、料金を考えるときに月額だけを見てはいけません。BigCommerceには売上規模によるプランのしきい値があり、外部の決済事業者を利用するときの取引手数料も確認対象です。現在の規模だけでなく、売上が増えたときにどの条件が変わるのかも見ておきましょう。
3製品の料金は、同じ表に金額を並べても正確には比較できません。Shopifyはプラン料金に加えて、所在地や決済方法によって変わり得る決済・取引条件を確認します。WooCommerceは本体が無料でも、ホスティング、追加機能、決済処理などが別の費用になります。BigCommerceはプラン料金に加え、売上規模による条件と取引・決済費用を分けて見る必要があります。
費用を試算するときは、次の順番で整理すると比較しやすくなります。
1. 本体または基本プランに何が含まれるか
2. ホスティングが含まれるか、別契約か
3. 決済処理とプラットフォーム側の取引手数料を分けられるか
4. テーマ、アプリ、追加機能、独自開発に別料金がかかるか
5. 売上規模や対象市場によって条件が変わるか
注意
料金情報の確認日は、Shopifyが2026年7月22日、WooCommerceが2026年7月18日、BigCommerceが2026年7月21日です。Shopifyには日本向け料金情報がありますが、WooCommerceはグローバル向け、BigCommerceは米国向けの公式情報が基準です。異なる市場の金額をそのまま安さの比較に使わず、公開直前に対象市場の公式条件を確認してください。
「小規模ならこの製品、大規模ならこの製品」と単純に分けるより、どの運用を自社で持つかを先に決めるほうが選びやすくなります。
Shopifyは、商品・在庫・注文・配送を一つのクラウド基盤で扱いながら、販売する国・地域やチャネルを広げたい場合に検討できます。WooCommerceは、WordPressを土台に必要な構成を選び、ホスティングや更新も管理できる場合に向きます。BigCommerceは、複数チャネルや複数ストアフロントをまとめることが重要で、売上規模に応じた料金条件も含めて運用を設計できる場合の候補です。
移行を予定しているなら、こちらも製品名だけで決めないようにしましょう。ShopifyにはCSV、移行アプリ、APIなどを使う方法があり、WooCommerceにはWordPressのエクスポートや商品CSV、サイト全体の移行方法があります。BigCommerceにも公式の移行・データ入出力方法がありますが、どのデータを移せるかは事前確認が必要です。
Q.WooCommerceは無料なら、最も安い?
A.本体は無料ですが、ホスティング、追加機能、決済処理などの費用が別にかかります。ShopifyやBigCommerceの月額プランと本体価格だけを比べず、必要な構成全体で確認してください。
Q.サーバー管理を避けたいならどれ?
A.ShopifyとBigCommerceはホスティングを含むクラウド型です。WooCommerceはホスティング、更新、保守を運営側で管理するため、運用体制が異なります。
Q.複数ブランドや地域別ストアをまとめたいならどれ?
A.BigCommerceには、複数ブランド、地域、顧客層向けのストアフロントを一つの環境で運用するMulti-Storefrontがあります。Shopifyで複数地域へ販売する場合は、Marketsによる市場単位の設定も比較してください。必要なのが複数のストアフロント管理なのか、一つのストアから複数市場へ販売することなのかで、候補が変わります。 3製品を選ぶときは、機能一覧の長さよりも、基盤の管理者、販売先の広がり、複数ストアの必要性、費用の構成をそろえて比べてください。クラウド型で運用をまとめるならShopifyまたはBigCommerce、WordPressを土台に自分で構成するならWooCommerce。この違いから始めると、自社に合う候補を絞りやすくなります。
確認日: 2026-07-10 以降(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
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